初節句には雛人形を買われる方も多いと思います。
現在の住宅状況では
「昔ながらの七段飾りなどは大き過ぎて飾れない」
というご家庭も少なくありません。
飾るスペースも考えた上で、
- 三段飾りなど段数が少ないもの
- お内裏様とお雛様だけの親王飾り
- 親王飾りでかつ小さなもの
というようにコンパクトなサイズを選ぶ方も多いです。
ですがそれでも「場所を取るから困る」とお悩みの方がいらっしゃいます。
そういう方の中には、
「そうだ、つるし雛ならどうだろう?」
なんて思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
同じ「雛」がついても、
雛人形とはまた異なる形をしたつるし雛。
代用は良いアイディアと思うものの
代わりにしてしまっても良いのか気になりますよね。
そこで今回は
- 初節句に雛人形の代わりとしてつるし雛を飾ってもいいのか
- そもそもつるし雛とはどういうものか
- つるし雛の飾り方
初節句はつるし雛もOK?
初節句に飾るものは昔ながらの雛人形だけでなく、つるし雛も大丈夫です。
というのも、つるし雛はもともと、
高価な雛人形が買えない地方の家庭で代用の人形として、
子供の成長を願った親が作ったものだからです。
世間一般で見られている雛人形と形は違いますが、
親が子を想う気持ちで作られたものとしては一緒なんですね。
実際、雛人形を飾るスペースがないためにつるし雛を飾る家庭は多いです。
長女は雛人形を買ったけど、
さすがに次女・三女の分まで雛人形を飾る余裕がない、というケースもよくあります。
もちろん最初から雛人形を買わずにつるし雛にするケースも見かけます。
ただ、すでに雛人形が家にある場合などにおいては
「長女は雛人形だけど次女はつるし雛」と明言することで
次女が「自分は姉のように人形を買ってもらえなかった・・・」と
悲しむことがないように
- 「つるし雛」の中でも立派なものを買う
- 子供には「誰それは雛人形」など言わず、「家族のもの」として所有感を伝えない
といった配慮をされている家庭もあります。
雛人形の横につるし雛を飾るのは華やかで良いですし、
雛人形と合わせて家族で一つ、
と子供に伝える方が余計なトラブルも避けられて良いかもしれません。
つるし雛の人形の意味は?
雛人形は天皇家・皇居を表すものですが、つるし雛の方はどうでしょう。
もともと、つるし雛は「吊るし雛」となりますが、
「吊」の字はお祝いに不適当とのことで平仮名表記になります。
江戸時代は雛人形を購入できる家庭があまり多くありませんでした。
それでも子供や孫のためにお雛様の代わりを手作りして
初節句をお祝いしたものが稲取のつるし飾り(雛)で現在の原点といわれています。
そんなつるし雛についている人形には一つ一つ意味があります。
ここでは代表的なものをご紹介します。
- 「亀」長寿祈願。
- 「草履」早く歩けますように。
- 「枕」寝る子は育つ。
- 「猪」子孫繁栄、無病息災。
- 「犬」子宝・安産・健康祈願。子守り。厄除け。
- 「這い子人形(赤ちゃんの”はいはい姿”の人形)」元気で丈夫に育ちますように。
- 「花」可愛く育ちますように。華やかな演出も兼ねる。
- 「鳩」神の使い。平和の象徴。元気に成長しますように。
- 「鬼灯」この世を明るく照らして困難なく生きていけるように。
- 「人参」健やかに育ちますように。
- 「唐辛子」可愛い娘とお雛様に悪い虫がつかないように。
- 「だるま」福を招く縁起物。(赤色より)魔よけ。
- 「太鼓」悪を払い、福を呼ぶものから、幸せなことが増えますように。
- 「金目鯛」暮らしの中におめでたい日がたくさん訪れますように。
- 「蕪」子孫繁栄。家庭円満。
- 「柿」健やかな成長。
- 「紙風船」上手に遊び、元気に育ちますように。
※ 這い子人形について興味がある方はこちらの記事もご覧ください。
つるし雛は、衣食住に困らないように願いを込めているため、
人形も様々な種類が飾られます。
動物から植物、玩具まであるので眺めているのも楽しいですね。
つるし雛の飾り方は?
一般的に、市販品のつるし飾りは「飾り台」に飾ります。
つるし飾りはつるす人形も様々な分、
高さや重さもそれぞれ異なってきます。
サイズを考えないと床に落ちたり、ひきずることになりますので、
耐荷重と全長を頭に入れた上で選びましょう。
飾り台は時季が過ぎると片付けますので、収納が簡単なものだと便利です。
飾り台以外にも、壁や天井にフックを取り付けて飾ることもできます。
その場合はつるし雛の重さに耐えられるような場所にフックを取り付けましょう。
つるし雛はいくつ飾っても大丈夫です。
飾る数に制限はありませんのでたくさん飾るととても華やかになって素敵ですよ。
つるし雛のまとめ
つるし雛は雛人形の代わりに飾っても大丈夫です。
飾る時期も片付ける時期も雛人形と同じで、
大体節分が過ぎてから飾り、ひな祭りが終わったら片付けるのが多いパターンです。
(片付ける時期について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください)
つるし雛は湿気に強くないものも多いので、
片付けるときは晴れて乾燥している日に陰干ししてからしまいましょう。
つるし雛キットで手軽に作ることもできますので、
機会があれば手作りにも挑戦してみてください。
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