正月といえば鏡餅。
年末から鏡開きまで飾る鏡餅は、一週間以上も室内に置いているだけあって
とってもカビやすい
ですよね。
風通しが良くて気温の低い場所ならカビにくいですが、
暖房が効いていて密閉度の高い場所ならカビができる条件はがっつり満たしています。
鏡開きを迎えてみたら、鏡餅にカビが生えていた。
なんてこともよくある話です。
そんなとき、あなたならどうしますか?
今回はカビが生えてしまった鏡餅は食べられるのか?
その毒性の有無や、カビの取り方についてご紹介します。
鏡餅にカビがあっても食べられるの?
鏡餅は、穀物神である「年神(歳神)」のお供え物であり、依り代です。
無病息災などを願って神様が宿られた鏡餅を頂きます。
そんな鏡餅ですが、年末から鏡開き(地域によって日付は違います)まで飾るため、
短くても一週間程度は空気に触れさせた状態で室内に置くことになります。
カビは「湿度(80%)」「温度(20~30℃」「空気」「栄養」が揃うと発生するので、
カビ予防をしっかり行っていなければ飾っている間にカビが発生します。
ではそんなカビが生えてしまった鏡餅を昔の人々はどうしていたでしょうか?
鏡餅は鏡開きまで、カビが生えても飾るものとされています。
また、神様の宿った鏡餅を捨てるのはよろしくない、ということで、
昔の人々はそのまま鏡餅を食べていました。
とはいってもカビが生えている部分は食べられませんのでもちろん取り除きます。
カビが出来た部分だけを取り除くので、
表面全てにカビが生えいなければ、食べていたんですね。
なので「カビが生えてしまったから食べられない!」ということはありません。
鏡餅は食べられます。
鏡餅のカビは毒性があるって本当?
いくらカビを取り除けば鏡餅を食べられるとしても、体に害がないか心配ですよね。
鏡餅の場合、日数的にできるカビは「緑カビ」です。
餅を始め、穀物類の初期段階にできる緑カビは食べても問題ありません。
カビだと自覚して食べると気持ち悪いですが、
少量取ったところで何ら変化はありませんので安心してください。
ですが鏡餅を数ヶ月放置してできる「黒カビ」は食べられません。
「黒カビ」を食べると微熱、吐き気に苦しむことになります。
鏡餅を数か月も放置する人はなかなかいないので
「間違って黒カビを食べちゃうかも!?」なんて心配は大丈夫だと思います。
人間の胃液は鉄すら溶かせる力があります。
緑カビは弱毒性なので胃に入ると溶けてなくなってしまいます。
なので餅においてはカビの毒性よりも
噛まずに飲み食いする方が体に悪いので覚えておいてください。
とはいえ、表面のカビを取っても、菌糸は内部に深く入り込んでいます。
見えるところだけにカビがいるわけでもないので、
食べるときは焼いたりゆでたりなど加熱処理をしましょう。
ただし、まったくの無害というわけではないので、
ちょっとでも不快で不安を感じる方は食べない方が良いと思います。
鏡餅についたカビの取り方は?
鏡餅についたカビは、カビを含む部分を大きく取り除くことが重要です。
カビは表面から餅の内部に深く入り込みますので、表面の削り取りだけでは不十分です。
なお、鏡餅を削るときは刃物の使用は厳禁です。
刃物が切腹を連想するので、手やトンカチなどを使うようにします。
それ以外にも、お湯につけてふやかし、
タワシやスプーンなどでカビのある表面から5cmほど取り除くのもアリです。
また、アルコールをかけた後、拭いてから加熱処理も良いですね。
いずれにしても一度カビができると、カビが再発しやすくなります。
保管する際にはカビができないように予防策を施しておきましょう。
鏡餅のカビ予防についてはこちらの記事でも取り上げていますのでご参考ください。
鏡餅のまとめ
鏡餅は神様の依り代で、無病息災を願っていただくものです。
カビができるとその部分は食べられなくなりますが、
全部が食べられない訳ではありません。
心情的に受け付けられないのでなければ、
カビをしっかり取り除いた上で一年の健康を願っていただきましょう。