雛人形はひな祭りが終わったら早く片付けないと
「嫁に行けなくなる」
なんてことを耳にしますよね。
それ以外にも、
「早く片付けられないならひとまず後ろ向きに置く」
ということも言われています。
なぜ後ろ向きに置くのでしょうか?不思議ですよね。
今回は後ろ向きに置いた方がいいとされる理由と、
片付けるときのタイミングはどうしたらいいかお話したいと思います。
雛人形は後ろ向きに置いた方がいいの?
早く片付けることが難しい場合、お雛様とお内裏様を後ろ向きにする、
なんて話があります。
これは諸説ありますが、
人形の向きを変えることで顔が見えなくなるため一時的に片付けた扱いとし、
箱に仕舞うまでの間、人形を労って仮に眠ってもらうこと
顔をそむけていることで「ひな祭りはおしまい」という印にすること
この2つからそう言われるようになりました。
雛人形を即日片付ける場合を除けばしばらく飾っておくことになるので
「雛人形は早く片付けないと嫁に行けなくなる」
なんてことにならないように
後ろ向きに置く方も多くいらっしゃいます。
ですが、雛人形を早く片付けなければならないというのは迷信です。
いつまでも雛人形を飾りっぱなしにしておくのはだらしないので、
時季が過ぎたらきちんと片付けるように親から子への脅し文句、
もとい教訓として人々に伝えられてきた言葉です。
(この迷信について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください)
なので
「一時的に片付けた扱いにする」ために後ろ向きに置く必要はありません。
始めに飾ったときのままでも問題ありませんので、
片付けるときまで人形の向きは変えずに同じままで大丈夫です。
ただ、いつまでも飾っていると人形が痛む恐れがありますよね。
人形の劣化が心配な方は場合によって向きを変えるのもアリかと思います。
ちなみに人形の向きを変えるのではなく、寝かせるという話もあります。
ですが人形を寝かせることで却って痛む場合がありますので
あまりお勧めはできません。
雛人形の片付けはどのタイミングでしたらいい?
雛人形の片づけは、いつにするか明確な決まりはありません。
なので基本的には時間の余裕と天気次第で決めてしまって大丈夫です。
大体次の期間で片付ける方が多いです。
- ひな祭り翌日3月4日(旧暦で開催しているところは4月4日)
- 旧暦の3月3日まで飾る(大体4月19日前後)
- 桜が咲き始める3月後半
- 3月末日
中には、
- 前日の3月2日に片付ける
- 当日3月3日夜に片付ける
- 当日3月3日夜に人形を後ろ向きにして、4日に片付け
という方もいらっしゃいます。
こんな具合に様々なパターンがありますので、
3月から4月中旬までの間で好きなタイミングで片付けてしまえば大丈夫です。
とはいえ雛人形自体が桃の節句と言われる季節行事になるので、
日程が合わないから、と5月過ぎても飾っているなど、
いつまでも飾ったままなのはおかしいです。
遅くても4月中に片付けましょう。
片付ける日として一番良いのは
天気予報で乾燥注意報が発令されるような晴れの日です。
そんな日の昼間に丁寧に陰干しをし
人形の掃除をしてからしまうのがベストです。
湿気や取り残した埃や指紋はシミやカビの原因になります。
極力夜間や雨天、曇天など湿度の高い日やタイミングは避けましょう。
雛人形の片付けは大安以外でも大丈夫!
雛人形を出すなら大安がいい、という話も耳にします。
それなら片付けも大安がいいのか?と首を傾げる方もいらっしゃいますが、
とくに気にしなくて大丈夫です。
片づける上で気にしなくてはいけないポイントは、
六曜よりも天候です。
もちろん気分的には大安だと心も落ち着きますが、
人形にとっては湿気が天敵なので、天気の良い日を優先させる方が良いでしょう。
ちなみに片付けに良いと言われている日は他にあります。
二十四節気の一つである「啓蟄(ケイチツ)」です。
雛人形は「雨水」(2/19頃)に出し、雛祭りが終わったら後ろ向きにして、
「啓蟄」(3/6頃)に片付けると良縁に恵まれる
なんて話もあります。
雨水は徐々に暖かくなってきて、雪や氷が溶けて水になる、という節目で、
山に積もった雪がゆっくり溶けだして田畑を潤すことから、
農耕準備を始める目安とされていました。
とはいえこれも、決まりではないので
雛人形を片付ける日は慌てて早めにしてしまうことなく、
天気が良い乾燥した日にしましょう。
雛人形片付けのまとめ
雛人形の片付けが遅れるとお嫁に行けないというのは迷信です。
とはいえいつまでも飾っておくのは人形の劣化やだらしなさが目立ちますので、
天気が良くて時間に余裕があるときに片付けてしまいましょう。
片付けるときはあらかじめ陰干しをしておくとカビ予防になるのでお勧めです。