金属アレルギーだと身に着けるアクセサリーにも
気を配りますよね。
でも普段身に着けるものだと、
アレルギー反応が出てしまうものでは結構ストレスを感じますよね。
そこで最近は金属アレルギーでも身につけられる金属として
ステンレスが注目されています。
中でもサージカルステンレスは、
医療現場でも使われる金属で、
熱に強く、腐食や酸化をしにくい金属として評判です。
そしてサージカルステンレスで作ったアクセサリーは、
どんな方でも金属アレルギーの心配なく身につけられるとして、
安心・安全な素材だといわれています。
これから結婚指輪やピアスなどのアクセサリーを作ろうと考えている方の中には、
なるべく肌への負担をかけないように、
サージカルステンレスで作るのはどうか検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、いざ作るとなったら、
サージカルステンレスでアクセサリーを作ることに
デメリットがないかって気になりますよね。
そこで今回はサージカルステンレスに
知っておいた方がいいデメリットがあるかどうか、
ステンレスとの違いと合わせてご紹介します。
ちなみに指輪に関してはこちらでもお話ししています。
サージカルステンレスで作る指輪やピアスのデメリットとは?
サージカルステンレスとはどんな金属か?
ステンレスとはよく耳にしても、
サージカルステンレスとなると、
あまり聞き覚えがない方も多いのではないでしょうか。
サージカルステンレスとは、
今でこそアクセサリーの素材の一つとして知れ渡っていますが、
元々はメスなど医療用の道具を作る金属として活用されていました。
長い時を経て、サージカルステンレスのメリットである、
- 丈夫さ
- 安価
- 錆びにくさ
- 変色しづらさ
- 傷つきにくさ
などの特質が高く評価されるようになり、
指輪やピアス、腕時計などの装飾品・アクセサリーの素材として
使われるようになりました。
特にアクセサリーにおいては、
高額な金やプラチナなどに比べ、
サージカルステンレスは比較的値段が安いので、
手軽に買うことができてコスパに優れています。
また、金属アレルギー体質の人だけでなく、
接触性皮膚炎などになりやすいデリケートな肌質の人も
身に着けられることで爆発的な人気に火が付きました。
サージカルステンレスのデメリットとは?
サージカルステンレスはメリットづくしで
アクセサリーの素材としてお勧めではありますが、
いくつかデメリットもあります。
普段から身につけるアクセサリーを作るなら、
事前に知っておきたいデメリットをお話しします。
主なデメリットは次の5点です。
- リメイクしづらい
- 傷がついたら錆ができる可能性がある
- デザインがシンプルになりがち
- (指輪の場合など)緊急時に外せない可能性がある
- 扱っている店舗数が限られる
それぞれ順番にお話しします。
リメイクしづらい
サージカルステンレスはとても丈夫なので、
これで作ったアクセサリーは傷がつきにくいです。
また、
湿気の多い場所や高温の場所で変形してしまう金や銀、白金などに比べて、
どんな環境でも買った時そのままのデザインを保つことができます。
その一方で、メリットである硬さや耐熱・耐湿が欠点となり、
指輪や腕輪などでサイズを調整したくなったとき、
加工が難しくて対応できないケースがあります。
こまめにサイズ調整をしたい方にとっては
サージカルステンレスはあまり適さない素材といえます。
傷がついたら錆つく可能性がある
基本的には傷はつかない、
丈夫さが売りのサージカルステンレスですが、
傷がついたときは、
プラチナやシルバーのように磨いてケアできる素材とは異なり、
傷がついたそのままの状態で使うことになります。
そのため、ついた傷が大きい場合、
そこから錆びができてしまう可能性があります。
ただこちらはめったに起こることではないので
そこまで大きな心配はしなくても大丈夫です。
デザインがシンプルになりがち
サージカルステンレスはすでに何度もご紹介したように、
その丈夫さ、硬質な素材であるところがメリットです。
しかし、こちらもメリットである一方、
凝ったデザインのアクセサリーなど、
繊細な加工が必要になる場合は対応できない可能性があります。
最近は加工技術も進歩しているので、
以前よりもいろいろなデザインに対応できるようになりましたが、
それでもゴールドやシルバーに比べると、
シンプルに感じるデザインが多くなってしまいます。
特に結婚指輪などブライダル関係のリングやジュエリーは、
その多くがプラチナやゴールドなどで作られることが多く、
サージカルステンレスは商品ラインナップは多くありません。
そのため、いざ購入しようと思ったときは
なかなか思うようなアクセサリーを見つけられないデメリットもあります。
おしゃれなデザインを楽しみたいなら、
サージカルステンレスはあまり向いていません。
ただ中には、
シンプルなデザインながらも刻印を施した指輪で
サージカルステンレスならではの良さを活かした、
お気に入りの指輪を作った、
という方もいらっしゃいます。
(指輪の場合など)緊急時に外せない可能性がある
ピアスや腕時計ならばあまり関係ありませんが、
指輪などの場合はこれが一番のデメリットです。
ゴールドやシルバー、プラチナなどで作られた指輪の場合、
むくみなどで指から外れなくなってしまったときは、
切断することができます。
ですがサージカルステンレスの場合、
その硬さから一般的な切断器具では切ることが出来ません。
指輪が外れなくて消防署にお世話になる方もいますが、
消防署でもサージカルステンレスの切断に対応できないケースが
過去多数生じています。
むくみなどは誰しも起こりえることなので、
アクセサリー素材としてサージカルステンレスはおすすめですが、
指輪に関してはあまりおすすめできません。
(大きめのサイズで指輪を作る場合は影響ないでしょうが…)
扱っている店舗数が限られる
サージカルステンレスをアクセサリーとして加工してくれるお店は、
ゴールドやシルバーなど一般的な金属に比べると限られています。
ただ最近はステンレスアクセサリーの知名度・認知度も上がってきているので、
以前よりもお店の数は増えていますから、
昔よりはアクセサリー・ジュエリーを作りやすい状況になっています。
特にピアスに関しては、
金属アレルギーの人でも身に着けられるというメリットから、
ボディピアス専門店でも多く取り扱われるようになっており、
指輪などに比べれば作りやすいかと思います。
ステンレスとの違いに注意が必要?
これまでサージカルステンレスの
メリット・デメリットについてお話ししました。
サージカルステンレスでアクセサリーを作ってみようかと
前向きに考えている方は
まずサージカルステンレスはステンレスとは違うということを
十分頭に入れておいてください。
これまでお伝えしたメリットはすべて、
サージカルステンレスにおいての場合ですので、
一部ステンレスに共通することがあるとしても、
ステンレスのアクセサリー・ジュエリーでは
通用しない特性もありますから注意が必要です。
では何が違うのかというと、
サージカルステンレス(正式名称 SUS316L)と呼べるものは
その構成条件がJISで決められており、
条件を満たすものでなければサージカルステンレスと言えません。
一般的なステンレスとは、
炭素(C)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)の含有量の比率が異なります。
また、サージカルステンレスは
錆びにくさの耐食性を上げるためにモリブデン(Mo)を添加しています。
同じステンレスの仲間でも、
化学成分が異なるので、特質も異なってきています。
現在ではたいていのステンレスアクセサリーを
サージカルステンレスにしているので、
間違えてステンレスで作ってしまう可能性は低いかと思いますが、
アクセサリー・ジュエリーを作る際はこの点ご注意ください。
ちなみにアクセサリーは必ず素材の名前を刻印していますので、
サージカルステンレスで作られているかどうか確認するなら、
「316L」の刻印があるかチェックしてみてください。
おわりに
サージカルステンレスのデメリットについてお話ししました。
肌が弱い方やアレルギーがある人にとっては
とてもありがたい金属ですが、
作るアクセサリー・ジュエリーによっては
危険な場合もあるサージカルステンレスです。
基本的には
サイズ調整が必要で、
最悪の場合切断が必要な指輪
以外のアクセサリー・ジュエリーであれば、
そこまで大きな危険はありません。
これまで金属アレルギーなど肌への負担が気になって、
アクセサリーを作れなかった、という方は
ぜひサージカルステンレスで作ってみてくださいね。
ちなみに指輪に関してはこちらでもお話ししています。