人事異動で現在の部署から他のところへ移ることになったとき、
送別会や歓迎会を開いてくださると聞くと嬉しいものですよね。
ですが送別会や歓迎会の日程が完全に重なってしまったとき、
これまでお世話になった方々と今までの思い出を語りたい一方、
新しく共に過ごしていくことになる方々と交流を深めたい思いもあり、
どうしたらいいか悩んでしまいますよね。
自分の体が二つあれば両方出られますが、
現実は体一つなので同時に送別会も歓迎会も出ることはできません。
そんなとき、一体どう対応したらいいでしょうか?
歓送迎会はどっちを優先させた方がいい?
歓送迎会は通常、
主賓である転出者・転入者の都合を確認してから日程を調整するものなので
送別会と歓迎会が被ることはめったにありません。
ですが
- 主賓が複数いて、
自分以外の主賓が予定を合わせられる日が他になかった - 役職者(上司)の都合が合わず、役職者の予定を優先させた
なんて場合には都合も聞かれずに日付けを設定されてしまうことがあります。
ただ歓送迎会の日程がすでに決まっていたとしても、
それぞれ別の日に設定されていれば問題ありません。
困るのは全く同じ日にされてしまった場合です。
そんなときは3通りの選択肢があります。
- 送別会・歓迎会のどちらにも出ない
- 送別会・歓迎会の両方に出る
- 送別会・歓迎会の一方にだけ出る
送別会・歓迎会のどちらにも出ない
「両方出ない」という選択肢は余程のことがない限り取らない方が良いですが、
歓送迎会だけでなく冠婚葬祭も重なってしまった、なんて場合には
両方欠席も止む無しといえるでしょう。
送別会・歓迎会の両方に出る
理想は二つの歓送迎会両方出ることです。
始めに送別会に出て、これまでお世話になった方々にお礼の挨拶をします。
機会があれば参加者の方々にお酌して回り個別にご挨拶するのも良いと思います。
頃合いを見計らって、送別会は途中で失礼させていただき、
新しい部署の歓迎会に向かいます。
もちろん送別会からお暇する際は、
改めて皆さんに途中退席の旨をお詫びしてから後にします。
歓迎会の会場についたら、幹事に一言紹介していただいた上で、
改めてあなたから歓迎会への参加が遅れた理由や自己紹介などご挨拶をします。
この場合、送別会と歓迎会の幹事それぞれと事前に打ち合わせをして、
二つの歓送迎会に参加するため途中退席、参加が遅れる旨を
幹事から参加者の方々に話してもらえるようにお願いします。
先に参加するのを送別会にする理由
異動によってこれまでいた部署は過去のものとなり、
転入する部署がこれからの職場になります。
歓迎会を先にすると、その会を途中退席することになりますが、
歓迎してくれている方々を置いて昔の職場の方へ行くというのは、
「異動先より異動前の方がいい」
と思われかねません。
また初対面の方々と接しながら途中で抜け出すタイミングを計るのも難しいので、
異動前の部署から参加するのがいいでしょう。
送別会・歓迎会の一方にだけ出る
送別会と歓迎の両方に出られたら一番良いですが、
会場が離れていて移動が難しい場合もありますよね。
その場合には片方は仕方ないと諦めて、一方だけに出ます。
二つの歓送迎会のうち、一方だけに参加するなら
新しい職場、異動先を優先することをお勧めします。
歓迎会はこれから一緒に仕事する方々との顔合わせです。
あなたは送別会を開催する方々のもとから去る立場なので、
後日菓子折りを持参してご挨拶に伺うのでも十分なお話です。
また、前の部署で親しい方々とは個人的な飲み会の場などを設けることもできます。
そもそも送別会は主賓である自分の都合も聞かずに日程調整されているので
欠席で困る場合は日程を改めてくれるでしょうし、
日程が変更されないなら自分はその程度の存在だった、と判断せざるを得ません。
あなたはこれから異動先でお世話になりますので
あなたのために歓迎会を企画してくださった方々に感謝して
歓迎会に出席する方が筋は通るかなと個人的に思います。
私は小心者なので、
歓迎会を断って悪い印象や不信感をもたれたら嫌だな、
と思ってしまうのも理由の一つだったりします。
開催日時点の所属で優先順位を変えるのもアリ
二つの歓送迎会のうち一方だけに出るのは
新しい職場で催される歓迎会を優先することをお勧めしますが、
歓送迎会の開催日によっては逆に送別会を優先するのもアリだと思います。
基本的に
送別会は異動前、歓迎会は異動後
に行うものです。それが重なったということは、
- 送別会があなたの異動後にずれこんだ
- 歓迎会があなたの異動前にフライングしている
のどちらかになります。
あなたの異動前に歓迎会が行われる場合は正式な人事異動前のフライングですので、
「今の部署の業務処理がまだ残っていて手が離せないので・・・」
などとお断りして歓迎会の冒頭で挨拶だけして失礼させてもらったり、
歓迎会を欠席して送別会の参加を優先するのもアリです。
逆に送別会が異動後に行われるのはタイムオーバーなので
歓迎会優先にしても文句は言えないと思います。
送別会の寸志を渡すタイミングは?
歓送迎会では主賓の会費を徴収しないことが一般的です。
ですが、飲食しておきながら一切お金を払わないのは気が引ける、
という主賓の考えから、
「自分の飲食代はちゃんと払います」
という意思表示として主賓が幹事に寸志を渡すことがあります。
寸志は感謝の気持ち
寸志とは自分の気持ちをへりくだって言った言葉で、
わずかの厚意、心ばかりの贈り物を意味します。
基本的には上司が部下や目下の人に対して心づけで渡すことが多く、
目下の人に頼んだ手伝いなどに対して
労いや感謝の気持ちを表すときに送るものです。
歓送迎会における寸志は
「私のために歓送迎会を開いてくれてありがとう」
と感謝の気持ちを伝えるために渡すものです。
寸志の取り扱いは会社によって違う
会社によって寸志を渡す習慣がないところもあります。
寸志の習慣がないと渡す事で負担になることがありますので
寸志を渡す場合には事前に確認が必要です。
寸志の習慣がないときは寸志と同額程度の菓子折りなどを渡すので良いでしょう。
ちなみに送別会などの場でも寸志は目上から目下へ向けて渡すものなので
「上の立場にある者が栄転や退職に伴う送別会で寸志を包む」
のはアリですが
「平社員はわざわざ気を遣わなくてもいい」
とお断りされるケースもあります。
全く渡さないのは気が引けるときは寸志ではなく
上司や目上の方への「御礼」という形で対応することがあります。
寸志の取り扱いは部署によっても変わりますので、
できれば幹事や周囲の方に確認して、
同じように転出される方、転入される方と足並みを揃える方がいいと思います。
寸志の相場
寸志はお礼の気持ちを込めて出すので、会費より少し多めにお金を包みますが、
大体相場は、
5,000円から1万円
になります。
金額は役職によって変化し、若い方なら5,000円程度ですが、
転職や異動である程度年を重ねた方は1万円にしておくといいと思います。
事前に知らされている歓送迎会の会費と寸志も同じ金額にするのも問題はありませんが、
感謝を示す意味でも少し金額を大きくして渡すのが通例なので
ちょっと多めにしておいた方がいいかなと個人的に思います。
なお、寸志の相場が5,000円または1万円なのは
紙幣1枚で幹事も管理がしやすく綺麗に収まるからと言われています。
寸志を渡すタイミング
寸志は白封筒または紅白蝶結びの熨斗袋(小さめのもの)に
「寸志」と表書きするだけで大丈夫です。
用意した寸志は歓送迎会が始まる前に幹事へ渡します。
細かい決まりはありませんが、会が始まった後だと幹事も忙しいので
渡すタイミングがない場合があります。
開始前が一番幹事も余裕を持てるのでそのときに渡しましょう。
逆に歓送迎会が終わって改めて渡すのは
「皆の好意を無碍にした」と取られかねないので
タイミングには気を付けてください。
送別会を欠席するなら寸志はいらない?
送別会を欠席する場合は、必ずしも寸志を出す必要はありません。
寸志は
「私のために歓送迎会を開いてくれてありがとう」
「自分の飲食代はちゃんと払います」
という気持ちから渡すものです。
送別会に限らず、催し事を欠席するときは
支払いが必要は場合と必要ではない場合があります。
結婚祝いや香典は結婚式やお葬式に出なかったとしてもお渡しするものですが、
送別会の欠席であれば特別に何かしなければならないことはありません。
ただ会社で欠席でもお金を出すような慣習があるケースもあります。
欠席でも寸志を出すかどうかは幹事や他の転出者、転入者の方に確認してみましょう。
歓送迎会が重なったときのまとめ
異動先の部署と異動前の部署で歓送迎会が重なったとき、
一番良いのは両方参加することです。
ただ開催場所などによっては片方しか参加できないこともありえます。
そんなときは異動先の部署が開催する歓迎会への参加を優先することをお勧めします。
送別会を開催するのは、言ってしまえばあなたが去っていく部署です。
あなたが大事にするのはこれから過ごしていく転入先の方々なので
異動先の方々が主催してくださる歓迎会を重視した方がいいと思います。
ただ、それは私が
歓迎会に行かなかったことで異動先の方々の心証が悪くなったらどうしよう、
という小心者だからなので、絶対ではありません。
歓送迎会が重なるというのは特殊なケースで、
「こうしなきゃダメ!」という決まりはないものです。
心残りなく歓送迎会に参加できる選択をなさってくださいね。