「風邪を引いたら卵酒」とはよく耳にします。
卵酒は昔から体を温める効果があると言われている飲み物で、
風邪の引き始めには大変重用します。
ですが妊婦の場合、卵酒が含むアルコール分が気になり、
卵酒を飲んでもいいものか悩みますよね。
そこで今回は卵酒は妊婦が飲んでも大丈夫なのか、
また葛根湯など他のもので代用できるのかどうかお話したいと思います。
妊婦の風邪に卵酒は良くない?!
卵酒は「卵」「砂糖」「酒」を混ぜ合わせて簡単に作れる飲み物です。
材料としては
酒 180ml
砂糖 大さじ1
※ 酒は日本酒(純米酒)が一般的。
を混ぜ合わせて作ります。
(分量は好みで多少増減します)
卵白で殺菌作用のリゾチーム、卵黄にビタミン、ミネラル、アミノ酸、
砂糖でカロリー、酒で体を温める効果、鎮静効果があるので、
「風邪を早く治す方法」や「薬に頼らず治す方法」として有名です。
ですが、アルコールの摂取を控えたい妊婦にとって
主成分が「酒」になる卵酒は摂っても大丈夫か気になるところだと思います。
卵酒のアルコール分を蒸発させれば良さそうな気もしますが、
そもそもアルコールによる体温上昇効果も見込んで、
材料に酒が入っているため、アルコールを飛ばすと酒を入れた意味がありません。
作るときの火加減でアルコール度合いを調整したとしても、
アルコールの影響が全くでないとは言い切れません。
なので結論としては妊婦は卵酒を避けた方が無難だと思います。
ちなみに卵酒は酒の代わりに牛乳で作ることもできます。
こちらは酒を飲めない子供によく作られるものですが、
妊婦にもお勧めの飲み物です。
牛乳 200ml
砂糖 大さじ1
を混ぜて作れます。
(砂糖は好みで増減してください。はちみつで代用も可能です)
ただ卵酒にしても、牛乳で代用した飲み物にしても、
あくまで栄養補給と体を温める目的のために飲むものです。
きちんと風邪を治すのであれば、我慢せずに病院へ行くことをお勧めします。
下手に長引かせて胎児に影響があっても怖いので、
適切な薬を処方してもらってさっさと治す方が心身ともに良いと思います。
妊婦の風邪で葛根湯は市販品を避けた方がいい?
葛根湯も卵酒に並んで有名な飲み物です。
病院に行くと妊婦でも処方されることがあるので飲んでいる方も多いです。
ですが市販の葛根湯には、
子宮収縮を促す可能性のある「麻黄(マオウ)」が含まれているので注意が必要です。
一回の服用なら大きな影響もないかもしれませんが、
継続して服用すると胎児に影響を与える可能性も高くなります。
実際、葛根湯の説明書には但し書きで
「妊婦や妊娠の可能性が婦人にはリスクを上回る有益性がある場合のみ」
と限られています。
もちろん葛根湯を飲んで影響がなかった方もいらっしゃいますが、
万人が万人、大丈夫とは言いにくいのが現状です。
市販品を服用するなら、先に医師へ相談することをお勧めします。
病院の葛根湯は市販のものより成分が控えめで処方されることがありますので、
場合によっては病院で葛根湯を処方してもらうのも手です。
ちなみに服用した薬が胎児に最も影響を及ぼすのは、4~7週です。
この時期にあたるのであれば服用する薬には十分気を付けていきましょう。
妊婦の風邪なら大根はちみつがお勧め!
妊婦がなるべくリスクを抑えて飲めるものなら、
卵酒や葛根湯より「大根はちみつ」の方がお勧めです。
作り方は様々ありますが基本的には、
皮をむいた大根を刻んではちみつをかけてしばらく置いておき、
大根からにじみ出てきた汁とはちみつを混ぜ合わせて飲みます。
大根には殺菌作用と炎症を抑える作用があり、
はちみつの保水性によって喉を保湿することができます。
なので、咳を止めて喉の痛みを和らげるなら大変効果的です。
はちみつではなく塩を振るというものもありますが、
味を思うと、はちみつの方が個人的には良いと思います。
飲みやすいように多くのアレンジレシピがあり、
炭酸水で割ってソーダにしたり、
レモン汁やレモン水を追加してドリンクにするのも美味しいです。
妊婦の風邪まとめ
妊婦の風邪には大根はちみつがお勧めです。
大根はちみつ以外にも、
銀杏のはちみつ漬けやキンカンの煎じ汁に砂糖を加えたものも
消炎作用で痰の切れが良くなり、咳を抑える効果があります。
ぜひ試してみてください。
卵酒や葛根湯も全くダメということはないですが、
卵酒のアルコールや葛根湯の麻黄成分が与える影響を考えると
妊娠中は避けた方が良いと思います。
いずれにしても風邪を治すなら
「安静」と「睡眠」が何より一番大事です。
体力や自己免疫力の低下ではなかなか治りませんし、
治りかけで再発なんて可能性もありますので、
しっかり三食バランスの良い食事と水分を摂って、
体を温め、十分加湿した室内でぐっすり睡眠をとるようにしましょう。