昔はお弁当箱というとアルミかプラスチックが一般的でしたが
最近は店頭でも様々な素材のお弁当箱を目にしますよね。
100均でもかわいくておしゃれなデザインのお弁当箱が手に入るので
自分好みのお弁当箱選びが手頃な価格で簡単にできるほど。
そんな中、近頃注目を浴びているのが
ステンレス製のお弁当箱。
おかずの匂いや色移りがしづらく、
丈夫で傷つきにくいし、
食洗機でも使えるので使い勝手がいいと人気があります。
ただ一方で「ステンレスの弁当箱は危険だ」という説を唱える人も。
実際のところステンレス製弁当箱に危険があるのかというと
ステンレスのお弁当箱は危険ではありません。
ただデメリットが一切ない訳ではありません。
次のような欠点があるのも事実です。
とはいえ、それを補える次のメリットがあります。
子供が弁当箱を振り回したりしても壊れない頑丈なお弁当箱や
家事の負担を軽減できるお弁当箱をお求めの方にとてもおすすめです。
今回はステンレスのお弁当箱が危険といわれている理由と
なぜ危険がないのかその根拠、
そして子供用や2段タイプなどのおすすめステンレス弁当箱を
日本製や有名老舗メーカーからピックアップしてご紹介します。
ステンレスの弁当箱が危険といわれる理由
お弁当箱は保育園や中学校、職場など日々の生活で役立つ必須アイテムの一つです。
最近はコンビニなどで昼食を買う人も増えているとはいえ、
お弁当箱を家から持参して食べる方も少なくありません。
私の職場でも家からお弁当を持ってきて食べる人の方が半数を占めています。
そんな大活躍のお弁当箱ですが、
大抵はプラスチック製が多いと思います。
安価でおしゃれなデザインの弁当箱が多いですし、
子供の好きなキャラクター弁当箱も種類が豊富なので
まず候補に選ぶならプラスチックという方が多いと思います。
ですが、近頃『BPA』というプラスチックに含まれる化学物質が、
不妊や発達障害・高血圧、内分泌系疾患など様々な病気と深く関りがあること、
そしてそれ以外にも様々な有害物質がプラスチック製品に含まれていることが
海外でも問題視されています。
ちなみに、BPAフリー(BPAを使っていない商品)の商品もありますが、
実は【BPAではないが、それと同等orそれ以上の有害物質】を使用したものもあって、
極力プラスチック製品を使いたくないと考える人も増えてきました。
プラスチックはとても身近な存在なので
すべて排除することは不可能に近いですが、
極力減らすことはできます。
特に食品など体の中に入るものを入れる器としては
なるべくなら使いたくないなというのが本音。
そこでプラスチックの代替品として注目を浴びているのがステンレスで、
ステンレス製のお弁当箱が注目を浴びている背景にはこのようなことがあります。
ただ、いざステンレス製のお弁当箱を使おうと思うと
プラスチック製弁当箱のように何か危険がないか気になりますよね。
実際、ステンレスに関しては
「ステンレスに含まれているクロムから六価クロムという物質が生成され、
体内に入ることでガンや多臓器不全など身体に悪影響を与える恐れがある」
という危険性と不安を訴えている方がいます。
確かに六価クロムは有害ですが、
そもそもステンレス製の弁当箱から六価クロムが生成されることはまずありません。
というのも、
六価クロムは三価クロムを高温で焼くことで生成されますが、
一般的なステンレス鋼は「無害な単体のクロム」と「鉄」の合金なので、
三価クロムを使っていません。
また、ステンレスの一般的な耐熱温度は700〜800℃で、
最低でも500℃前後において安定した使用ができると保証されているので
日常レベルの使用で六価クロムが生成されることはまずありえません。
そもそも、そんな有害物質が生成される恐れのある金属なら
キッチンのシンクや鍋・包丁などの調理器具でステンレスを使われるわけがありません。
なので、ステンレス弁当箱を使うにあたって
健康への悪影響や危険性などはないので安心して使うことができます。
ステンレス製弁当箱のデメリットとメリット
ステンレスという言葉は、日本語で「汚れない・錆びない」という意味です。
このことから分かるように、ステンレスの一番の特徴は
何かと言っても汚れに強く、錆びにくいところです。
それ以外にも次のようなメリットあがあります。
一方でデメリットには次のようなことが挙げられます。
それぞれ詳しくお話しします。
【ステンレス弁当箱のメリット①】錆にくい・汚れにくい
ステンレスの語源である「錆びない」の示す通り、
ステンレスは鉄やクロム、ニッケルなどを混ぜ合わせて、
表面に強い膜を張っているため、
錆びや汚れに強い性質をがあります。
【ステンレス弁当箱のメリット②】丈夫で傷つきにくい
ステンレスは汚れや錆に強いだけでなく、
強くて頑丈な性質もあります。
そのため、うっかり落としたりぶつけたりしても
傷や凹みができにくく、
よほど強い衝撃を加えない限り壊れることはまずありません。
また耐熱性や耐水性にも優れているので
台所のシンクや鍋、フライパンなどにも使われています。
この点からお弁当箱をもまず壊れることがないので、
振り回してぶつけたりしがちなお子さんに持たせるお弁当箱としても人気があります。
【ステンレス弁当箱のメリット③】色や臭いがつきにくくてお手入れが楽
プラスチック製の弁当箱を使っていると、
ケチャップたっぷりのハンバーグやスパゲティのときは
お弁当箱に臭いや色が付きがちで悩まされている方も多いと思います。
しかも、洗っても簡単にはぬめりが落ちなくて
いつまでもヌルヌルしたりすることも。
プラスチックは石油から作られるので疎水性(親油性)が高く、
傷も付きやすいので、そこにニオイや汚れがしみ付いてしまって
なかなか落ちないんですね。
一方でステンレス製の弁当箱は、
食品に長時間触れていても色やニオイは移りにくく、
洗剤をたくさん使わなくても油汚れをキレイに落とせるのでお手入れが楽です。
【ステンレス弁当箱のメリット④】食洗機で洗える
食洗機があるご家庭では、
食器と一緒にお弁当箱も洗えると手間が減って楽ですよね。
でもプラスチック製の弁当箱だとものによっては変形してしまうので
食洗機が使えないケースも少なくありません。
一方でステンレス製の弁当箱は食洗機で洗っても変形しませんし、
汚れもスッキリ落ちるので使い勝手がとてもいいです。
【ステンレス弁当箱のデメリット①】電子レンジで使えない
真冬の寒い季節は食べるまでにお弁当の中身も冷え切ってしまいます。
なので職場の電子レンジで温めてからお弁当を食べる方も少なくありません。
ですが、ステンレス製の弁当箱は金属製なので電子レンジが使えません。
もし電子レンジを使ってしまうと、
火花が出て爆発し、最悪の場合火災を引き起こす危険があります。
どうしてもお弁当の中身を温めたいときは
中身を別の器に移して電子レンジを使うか、
オーブンやトースターを使って温めることになります。
大人が使う分にはいいですが、
子供が一人でお弁当を食べる場合などはうっかりお弁当箱を電子レンジに入れてしまう恐れがあるので
「ステンレスの弁当箱は電子レンジを使えないこと」
を強く念押しするか、
最初から電子レンジが使えるプラスチック製の弁当箱などにする方が安心だと思います。
【ステンレス弁当箱のデメリット②】温めるのに時間がかかる(保温庫に向かない)
ステンレス製の弁当箱は電子レンジが使えないので、
幼稚園や保育園などでお弁当箱を温めるために保温庫に入れるなら
ステンレスはあまりおすすめできません。
というのも、ステンレスはアルミなどに比べて
熱の伝導率が低く、温めるのに時間がかかるためです。
・保温庫で温めるなら、アルミ製の弁当箱
というように決めた方がいいと思います。
ちなみに保温庫に入れる弁当箱は
「パッキンなし」または「パッキンが取り外せるタイプ」のお弁当箱がおすすめです。
保温庫の奥の方は温度が高くなるので、
パッキンが熱で溶けてしまう可能性があります。
パッキンなしにするくらいなら、
アルミ製のお弁当箱の方が種類も多いし悩まなくていいかもしれません。
【ステンレス弁当箱のデメリット③】シンプルなデザインが多い
ステンレス製の弁当箱はシンプルなデザインが多いです。
キャンプなどのアウトドアで使う弁当箱も多く、
子供の好きなキャラクターデザインのものはほぼ見かけません。
大人が持つならあまり気になりませんが、
子供がそのあたりどう受け取るか、
幼稚園や保育園のお子さんはあまり喜ばないかもしれません。
ただ最近はかわいらしいプリントデザインのステンレス弁当箱も増えているので、
以前よりは選択の幅も広がっています。
とはいえ、おしゃれなデザインのお弁当箱が欲しい方には
結構大きなデメリットだといえます。
【ステンレス弁当箱のデメリット④】価格が高い
プラスチック製の弁当箱は、
おしゃれでかわいいデザインのものを100均で買うことができます。
アルミ製の弁当箱でも、
凝ったデザインや流行りのキャラクターデザインが比較的安価で購入できます。
それに比べるとステンレスの場合はやや割高になります。
ただ、プラスチックやアルミ製に比べて、
ステンレスは丈夫で長持ちするので、
長く使える点ではステンレス弁当箱もそれほど悪くはありません。
【ステンレス弁当箱のデメリット⑤】重量があるので重い
軽くて持ち運びしやすいプラスチックやアルミの弁当箱に比べると
ステンレス製の弁当箱はどうしても重く感じます。
大人はそこまで気になりませんが、
小さな子供にはちょっと厳しいかもしれません。
できれば自分で持ってみて、
重量がどれくらいか確認してから買うのがいいと思います。
ステンレスの弁当箱は夏や梅雨時期でも使える
よく心配になるのが夏場の暑い時期も使えるかどうか。
弁当箱の中身が腐って食中毒にならないかは気になる点ですよね。
結論からいえば、ステンレス製の弁当箱は夏や梅雨でも問題なく使えます。
基本的に弁当箱が腐るのは暑い夏や湿度の高い梅雨の時期に限った話ではなく、
気温の低い冬でも気を付けておきたい注意点です。
弁当が腐ったり、細菌が繁殖するのは
外気温などの外的要因も関係していますが、
それ以上に衛生状態の悪さが大きく影響します。
パッキンがついた弁当箱ならパッキンが清潔に保たれているかどうか、
とくに注意して使いましょう。
もちろんそれ以外にも、
- 直射日光を避けた暗所に保管しているか
- 車中など高温になってしまう場所に置いたままにしない
- 早めに食べる
といったところにも注意する必要はあります。
これはステンレスに限った話ではないので、
ステンレスだから夏は使えないということはありませんので安心してください。
ステンレス製の弁当箱は梅干しはOK!ただしアルミはNG
ステンレス製の弁当箱は
「梅干しなどの酸が強い食品を使うと変色するからNG」
なんて話を聞いた方もいるかもしれません。
ですが、ステンレス製の弁当箱も梅干しを入れることができます。
確かにステンレスは酸性の強いものに触れると変色や穴が開くことがありますが、
お弁当に使うようなレベルでは何年も同じ位置に使い続けるなどしなければ
まず弁当箱がダメになることはありません。
ただし、アルミカップやアルミホイルなどの使用は避けてください。
酸性の強い梅干しなどの食材より、
アルミ製品をステンレスに触れさせている方が
ステンレスにさびなどの悪影響を与えます。
ステンレスのお弁当箱に使うならシリコン製のカップなどにしましょう。
ステンレス製のお弁当箱でおすすめの商品
ステンレス製のお弁当箱で有名なメーカーといえば
「工房アイザワ」「ゼブラ(ZEBRA)」「シーガル「Seagull」が挙げられます。
「工房アイザワ」は新潟県燕市にあるステンレス製品の老舗メーカーで、
ステンレス弁当箱も幅広い種類を取り揃えています。
もとは大正11年に創業された台所道具メーカーで、
アイザワの2段式角型ランチボックスは丈夫で錆びに強い特徴があるのでとても人気です。
「ZEBRA(ゼブラ)」はタイの人気ステンレス食器メーカーで、
ステンレススチールを使ったシンプルながら可愛いおしゃれなお弁当箱が揃っています。
丈夫な作りなので、ピクニックなどのアウトドアに最適です。
「Seagull(シーガル)」もタイの人気ステンレスメーカーで、
リーズナブルな商品が多いところが好評です。
2段式のおしゃれなランチボックスは、熱や衝撃に対しての強さも備えていて、
アウトドアでもよく活用されている弁当箱が多いです。
それぞれのメーカーのおすすめ弁当箱をご紹介します。
【ステンレスの弁当箱】日本製といえば「工房アイザワ」
子供用にちょうどいい小判型
ステンレスのお弁当箱でも小判型で持ち運びしやすくて収納しやすい、
子供や女性向けのサイズです。
臭いや色移りが無いとされる上質な18-8ステンレスを使用しており、
フタが古代杉の木蓋になっていておしゃれです。
2段式のお弁当箱
こちらは工房相沢のステンレス弁当でも2段タイプです。
お弁当の具材ごとに分けてたっぷり入れられます。
シリコン製のパッキンもついているので密封性が高く、
汁漏れしづらくなっています。
【ステンレスの弁当箱】タイのステンレス老舗メーカーでシンプルかわいい「ゼブラ」
高級感漂う光沢がおしゃれなランチボックスです。
蓋付きのストッカーもついているので、
弁当箱とは別にフルーツやおかずを入れてボリュームを増やす事ができます。
たっぷり入るので、普段からよく食べる男性におすすめです。
蓋の中央にはゼブラのシマウマロゴマークが施されていて
とっても可愛らしいです。
これ以外にもゼブラにはいろいろな弁当箱がありますので、
気になる方はこちらもご覧ください。
【ステンレスの弁当箱】リーズナブルな弁当箱が豊富なタイのメーカー「シーガル」
丸容器付きオーバルランチボックス
タイの人気ステンレスメーカー「シーガル」のランチボックスです。
こちらも丸容器がついているので
デザートやおかずなどをランチボックスとは別に入れることができます。
錆びや色移りしづらい18-8ステンレスを使用したランチボックスで、
リーズナブルな価格で購入できる点がとても好評です。
直火も可能な2段式ランチボックス
シーガルの2段式ランチボックスです。
留め具が持ち手にもなり、
持ち運びもしやすくてキャンプなどのアウトドアに向いています。
また、熱や衝撃に強いので、
直火、IH(電磁調理器)、ハロゲン調理器で使うことができます。
容量が大きいので子供が成長しても使い続けることができるサイズです。
食洗機でも使えるので、お手入れも楽です。
ステンレス製 弁当箱の危険性まとめ
ステンレス製のお弁当箱は
プラスチック製やアルミ製の弁当箱に比べると、
確かにデザインは制限されますし、価格も高くて重量もあります。
ですが、色移りや臭いがつくことがなく、
食洗機に入れられるのでお手入れが楽というメリットがあります。
個人的にはいつも弁当箱を洗うのに苦労していたので
(食洗機に入れる前の下洗いでもなかなかぬめりが取れなくて苦労しました)
ステンレス製の弁当箱でそれが解消されたところは一番のメリットだと思います。
ただ保温庫であまり温めきれないところや、
電子レンジで使えないところは
お弁当箱をどう食べるかに関わってくるところなので、
使い方次第ではステンレスよりはアルミやプラスチックのお弁当箱がいいかもしれません。
ただ、少なくともステンレスには
プラスチック製の弁当箱のような「BPA」のリスクがないので
安心・安全を重視するならステンレスのお弁当箱がお勧めです。
ステンレスの弁当箱もさまざまなデザインがありますので、
気になる方は一度こちらもチェックしてみてくださいね。