年末が近づいてくると、
新しい一年を迎えるために色々と準備しなければならないことが出てきます。
年末の大掃除や年越しそばの用意、
正月飾りやおせちの準備など、たくさんありますね。
ですが喪中だった場合、
「喪中はお祝い事を避けて過ごす」
と言われているので、
正月の準備やクリスマスをやっていいのか判断に悩むところですよね。
そこで今回は、
喪中は年越しそばを食べてもいいのか、
正月の飾りやおせちなど、食べてはいけないものがあるのかどうか、
喪中本来の意味をおさらいしながらお話します。
喪中は年越しそばを食べる?
そもそも喪中とはどういうことを示すのでしょうか?
喪中とは、身内に不幸があったために
悲しみのあまりお祝いごとやイベントをする気持ちになれず、
故人を思い、物事を慎んでいる期間のことを言います。
つまりお祝い事を避けている状態ですね。
一方、年越しそばは大晦日に
- 細く長く過ごせること
- 延命・長寿
- 金運アップ
など様々な縁起を担いで食べられるもので、
「お祝いごとを避ける」喪中とは異なるものです。
ですので「喪中だから年越しそばを食べられない」なんてことはありません。
「亡くなった方の分まで長生きをするのが勤め」
として年越しそばを食べて祈願される方もいます。
結論としては、喪中でも年越しそばを食べても問題ないでしょう。
喪中の正月飾りやおせちは?
喪中は「故人に対する悲しみからお祝いごとをする気になれない期間」なので、
年賀状は出さず、初詣や正月飾り、おせちなど新年のイベントごとは一切行いません。
但し、これは「悲しい」という気持ちがまず先にあり、
その気持ちの発露として「お祝いごとをする気になれない」
という結果になるものです。
「身内が亡くなったら一年は喪に服す」と一般的に言われますが
これは「喪」と神道や神道系の概念である「忌」が混ざっています。
「喪中」は悲しい気持ちから行動する気になれない期間です。
一方の「忌」は
穢れの状態でお祈りしても、
気持ちが神様に向き合っていないため意味がない。
死と向き合って、気持ちを整理して穢れを回復しなさい。
というもので、その期間を「忌中」と言います。
穢れが回復するのは、故人との関係性によって変わり、
親しければ親しいほど回復するまでに時間がかかるだろうということで
忌中の期間が異なっています。
最も親しい相手で一年忌まで、とされていたので、
喪と忌が混ざって
「一年は喪に服すから行事に参加してはならない」となったんですね。
最近では一年を待たず、50日を過ぎたら忌明けとして良い、
と扱われるようになっています。
50日を過ぎていたら、
初詣や正月飾り、おせちなども問題ないでしょう。
(もちろんクリスマスも!)
ただし、地域などによっては
新年のお祝いごとは行わず、普段通り過ごしている家庭が多いです。
50日を過ぎても心理的に「喪中」の場合や、
お祝い事をするのが気になるようでしたら
新年は慎ましやかに過ごすのが良いでしょう。
なお、これは神道の場合ですのでお寺の場合は異なることを
頭に留め置いてください。
喪中に食べてはいけないものは?
喪中は既に書いた通り、
「悲しみの気持ちから何か行動を起こす気になれない」ことです。
そのため、外食や豪華な食事をするなどのケースを除けば、
特に食べてはいけないものはありません。
ただ、地域や家によってNGとする食べ物もあります。
まずはご家庭で確認してみましょう。
また、正月における餅は本来「歳徳神(歳神様)」に供えるものを、
お下がりとして調理し、いただいています。
喪中の家庭が正月を迎えるときは、
穢れの家庭に神様を招くと不敬に繋がる恐れから、
正月飾りをせず、神様を迎えることもしません。
そのため神様への供えものも必要なく、
必然的に餅やおせちなどの料理もしないようになります。
餅は昔は豪華なものとされていましたので避けた上で、
質素な食事にするのが良いでしょう。
まとめ
年末年始の行事として一緒にまとめられていますが、
年越しそばとおせちでは意味合いが違います。
喪中では年越しそばを食べることは問題ないですが、
おせちは食べられません。
本来的な意味からみれば、現在は死後50日が経過すれば、
忌明けしていますので普段通りに生活して問題ないとされています。
喪中と忌中は混同しやすいですので、
違いをしっかり認識した上で年末年始の準備をなさってくださいね。